東アジア思想・文化の基層構造
汲古書院 / 2019-3-20出版
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简介

【まえがき(名和敏光)より】
本論文集は、二〇一八年九月八日に山梨県立大学で開催した国際シンポジウム「『天地瑞祥志』を中心とした前近代東アジア思想・文化の総合的研究」を機に出版を企画したものである。(中略)第一部は論考篇として、シンポジウムの報告論文二本及び術数学に関わる新規の論文四本に、『天地瑞祥志』成書に関する中国・韓国の論文三本を翻訳したものを加えた内容となっている。(中略)第二部は、翻刻・校注篇として、四本の翻刻・校注を収録した。
【本文より】
本論集において翻刻・校注をする『天地瑞祥志』は全二十巻で構成されている天文を中心とした専門類書であるが、『隋書』経籍志や『旧唐書』経籍志・『新唐書』芸文志などの目録類にも見えず、現在中国には残されていない。日本にのみ残されたいわゆる佚存書である。日本では『日本三代実録』貞観十八年(八七六)八月六日条を初見とし、以後、江戸時代に至るまで陰陽道関係文献を中心として様々な場面で利用されていたことが確認できる。平安時代の将来漢籍目録である『日本国見在書目録』にも「天地瑞祥志廿」と見え、平安期には全二十巻が将来されていたことが確認できる。
現在、現存最古の写本である前田育徳会尊経閣文庫本(江戸時代の貞享三年[一六八六]写)のほか、尊経閣本の忠実な書写本である京都大学人文科学研究所本(昭和七年[一九三二])などが存在しているが、全巻が伝存しているのではなく、「第一」「第七」「第十二」「第十四」「第十六」「第十七」「第十八」「第十九」「第廿」と約半数の九巻が残存しているのみである。(中略)本書に関しては中国において影印本が刊行されているものの、全文を翻刻し、校注を付したものはまだなく、一般の研究者には基礎文献すら入手できない状況であり、依然本書をめぐる研究状況が良いとは決して言うことができない。底本には高柯立選編『稀見唐代天文史料三種』(国家図書館出版社、二〇一一年)に所収の影印本を用い、京都大学人文科学研究所本で確認をした。

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